集合住宅は供給過剰
ニーズに対して供給量が少ない
戸建賃貸への関心が高まる

空き家の種類別推移  日本の集合住宅は現在すでに供給過剰です。立地条件が悪かったり、家賃設定を誤ると、新築時ですら満室にできなくなります。投資の回収が終わる前に空室により満足な賃料収入が得られないという事態が生じています。

 一方、戸建賃貸はニーズに対して供給量が少ない状況にあります。賃貸であっても一戸建てを望む人は多いのですが、空き家はあっても、良質な賃貸用物件はほとんどないからです。人口減少と集合タイプの賃貸住宅の供給過剰の中で、戸建賃貸は過当競争から逃れられ、事業リスクが低いと注目されています。

戸建賃貸経営のオーナー様のメリット

1. 事業リスクが相対的に低く、高い利回りが期待できます。

集合タイプと比較して、総投資額を抑えることができます。初期投資が少ないうえ、賃料を個々の集合タイプより 高く設定できるので、高い利回りが期待できます。また、集合タイプのように共用部を管理する手間や費用が発生 しないことも魅力です。

2. 安定的な経営が望めます。

戸建賃貸住宅はニーズに対し供給数がまだまだ少ないので、高い入居者満足度を獲得できます。メインターゲットはファミリー層なので、長期入居が見込めます。家賃補助などのある転勤族や公務員の入居者も多いため、定期的な入退去はあるものの、一般に入居者の質が高く、滞納の危険などが少ない傾向にあります。

3. 立地条件に左右されにくい特徴があります。

ライフスタイル重視の入居者が増加 ライフスタイル重視の入居者が増加。庭付き、ペット可など“持ち家感覚”で住めるので、やや古くなっても一定数 の需要が見込めます。


【壱】大家さんは管理人さん

大家さんは管理人さん  落語に登場する「大家さん」は、店子の八つぁん、熊さんにとって、「親も同然」の存在。でも、その「大家さん」は、現在の大家さん(賃貸住宅オーナー)よりも、管理人に近かったようです。そんな、江戸の昔の賃貸住宅事情を、ちょっと調べてみました。

 今日、大家さんと言えば、賃貸住宅の所有者(オーナー)を指しますが、江戸時代の大家さんは地主から委託された雇い人を指しました。大家は地主に雇われているわけですから、地主から給金を得ていました。

 地主に雇われている大家さんは、家主(いえぬし)、家守(やもり)、差配(さはい)などとも呼ばれ、江戸の町人自治の重要な役割を担っていました。

 大家は「五人組」を構成し、その中から交代で月行事(がちぎょうじ)を選び、その任にあたっていました。具体的な仕事は、町触れ(広報)伝達、人別帳調査、店子の身元調査と身元保証人の確定、諸願や屋敷売買の書類への連印、水道や井戸の修理、道路の修繕、喧嘩・口論の仲裁、店子が訴訟などで町奉行所へ出頭する際の付添いなどです。

 つまりは、町の自治管理というか、町奉行所など行政機関の下請けで、さらに、現在の不動産管理会社の仕事のようなものも含まれていたのです。


漫画:桐丸ゆい……東京在住の漫画家。大阪出身。時代劇好き、時代小説好きが高じ、江戸をモチーフにした作品を描くようになる。好きな時代小説作家は、藤沢周平。隔月発行『ラッキー!クロスワード』で「こんびに!」連載中。江戸のたべものに関するイラストコラムをまとめた冊子『江戸のたべもの』(A5横型フルカラー)を発刊。
【桐乃葉書房】https://kirinohasyobou.jimdofree.com/


アパート・マンションオーナーのための
税金

アパートの建設を、自己資金と借入金で賄う場合とでは、どちらが節税になりますか。

 借入金は支払利息を経費とすることで所得税と住民税が節税できます。自己資金の場合はそうした節税効果はありませんが、持ち出しがないので、結果として借入れより負担が少なくなります。目先の節税よりも、全体としての負担減を考慮することが大切です。
◎回答は相談事例をもとにした一般例です。案件により解釈や対応は異なります。また、税法は改正が多い法律です。
 個別の案件については、税理士や税務署にご確認ください。