月額家賃は5万円代が最多
値下げ競争に巻き込まれない
付加価値が必要

民営借家の家賃階層別比率  近隣エリアの家賃相場を知っておくことは賃貸経営の基本です。当然、家賃は物件の状態や立地地域によって大きく異なります。総務省が発表する「住宅・土地統計調査(平成30年)」による「家賃」は、5万円台が最も多くなっています。この数字は、ワンルームや戸建て賃貸などすべての賃貸の家賃を合わせて平均化したものです。

 全国的な空室増で、地域によっては家賃の値下げ競争が始まっています。値下げ競争に巻き込まれないためには付加価値が必要。ニーズが高く、供給が少ない「戸建」は、賃貸住宅の大きな付加価値となります。

戸建賃貸経営の入居者のメリット

1. 持ち家感覚で暮らせます。

集合タイプと違い、上下階や左右、隣家の音を気にせず暮らすことができます。特に小さなお子様のいるファミリー層は、まわりを気にせず伸び伸びと子育てすることができます。また、戸建てなら部屋数の多いタイプもあるため、お子様の成長やライフスタイルの変化に伴う引っ越しや転居の心配が不要です。

2. プライバシーを確保し趣味も楽しめます。

集合タイプと異なり、プライバシーが守れることはもちろん、庭付きの戸建住宅ならガーデニングや家庭菜園など 多彩な趣味が楽しめます。また、ペット可やペット共生物件も多いほか、敷地内に駐車場があれば、車の出し入れや洗車がラクに行え、別途駐車場代も不要になります。

3. 高い快適と健康的な暮らしが望めます。

高い快適と健康的な暮らし 集合タイプに比べ、一般に開口部分が多いので、採光や通風もたっぷりで快適。洗濯物などが干しやすく、健やかで居住性が高い暮らしが実現します。


【三】不動産ビジネスは昔からあった

不動産ビジネスは昔からあった  「不動産」という言葉が使われるようになったのは明治時代以降と言われますが、実は、不動産業の歴史は遠い昔にまでさかのぼります。では、江戸の昔は、不動産業というものは存在したのでしょうか。

 歴史を紐解くと、日本の不動産業のルーツは、奈良時代の中期までさかのぼります。大和朝廷が「墾田永代私有財法」を発布し、自分で「開発」した土地を私有地として、人に「管理」させる「荘園」が発生します。このあたりが不動産業の起源といってよいかもしれません。

 時代は下って江戸時代になると、いよいよ庶民の間にも不動産ビジネスが広がっていきます。

 中でも、不動産ビジネスに積極的なのは商人で、今の三井グループのルーツ、三井高利を総帥とする越後屋などは、江戸各地の土地を相次いで獲得して資産を増やし、また、長屋のような賃貸住宅の建設を推し進めて大いに利益を上げ、信用力も増強したと言います。


漫画:桐丸ゆい……東京在住の漫画家。大阪出身。時代劇好き、時代小説好きが高じ、江戸をモチーフにした作品を描くようになる。好きな時代小説作家は、藤沢周平。隔月発行『ラッキー!クロスワード』で「こんびに!」連載中。江戸のたべものに関するイラストコラムをまとめた冊子『江戸のたべもの』(A5横型フルカラー)を発刊。
【桐乃葉書房】https://kirinohasyobou.jimdofree.com/


アパート・マンションオーナーのための
税金

親が死去して相続が発生したとき、親所有のアパートを物納することで相続税を納めたいのですが、可能ですか。

 アパートを物納することは一般的には難しいでしょう。それは、管理が大変な建物の物納は認められないからです。物納にこだわるなら、建物を取り壊して土地を物納するか、底地を物納した上で、国へ地代を支払う借地人になるといった方法を検討するしかありません。また、場合によっては売却のケースも考えましょう。
◎回答は相談事例をもとにした一般例です。案件により解釈や対応は異なります。また、税法は改正が多い法律です。
 個別の案件については、税理士や税務署にご確認ください。