日本は人口減少の局面に入りましたが、総住宅戸数は増え続けており、空き家率が増加しています。投資目的でのアパートやマンションも乱立。供給過多による空室が増えています。空室率を下げ安定した経営をするには、他との差別化が重要ですが、それに打ってつけといえるのが、戸建賃貸住宅です。
立地が重要視されるアパートやマンションと違い、駐車場付きの戸建賃貸住宅は、立地条件に左右されにくいのが特徴。また、メインターゲットがファミリー層のため、長期入居が見込め、経営が安定しやすいのもメリットのひとつです。
新築の賃貸住宅のうち、戸建が占める割合は2%前後と、圧倒的に供給量が少ない状況です。一方で、小さな子供がいる子育て世帯や、ペットの飼育世帯では、気兼ねなくのびのびと暮らせる戸建志向が根強いとされています。ニーズが高く供給が少ない戸建賃貸は、集合住宅との差別化ができます。
アパートやマンションなどの集合住宅の借り手は、立地を重要視する傾向があります。物件を探す場合も駅からの距離で検索するため、立地条件がそぐわない場合はアピールできる手段を失います。その点、戸建賃貸を希望している層は、戸建であることを最重要視していることが多く、立地条件に左右されにくい傾向があります。
戸建賃貸なら、変形した土地や小さな土地でも、形状に応じた物件を建てることが可能です。アパートやマンションの場合、ある程度まとまった形の土地が必要ですが、戸建賃貸ならその心配は無用。デッドスペースを作ることなく、土地を効率よく最大限に使った資産運用ができます。
「江戸っ子は宵越しの金を持たない」といわれましたが、実際のところどんなお金の使い方をしていたのでしょうか。
ファミリータイプの長屋にお住いの、夫婦で子供1人という大工さんの収支を文献(「文政年間漫録」)や研究書の情報などから見てみましょう。
まず収入の部。1日の賃金は銀5匁4分(約12,000円。1匁は約2,200円の換算)で、年間294日働くとして年間で銀1貫588匁、金だと約26両になります。文化文政の頃(1804~1830年)の手間賃で働く職人の3倍近く。賃金とは別のご祝儀などの収入もあったかもしれません。
そして支出を見てみますと、家賃(店賃〈たなちん〉)が銀120匁(約26万円)と記録されています。この部屋は四畳半二間だったそうで、月22,000円。これも、職人らの多くが住んだ裏長屋の家賃、月300~500文(約7,500円)からみると3倍近いもの。ファミリータイプはワンルームの3倍というのは、今と同じのようですね。
漫画:桐丸ゆい……東京在住の漫画家。大阪出身。時代劇好き、時代小説好きが高じ、江戸をモチーフにした作品を描くようになる。好きな時代小説作家は、藤沢周平。隔月発行『ラッキー!クロスワード』で「こんびに!」連載中。【桐乃葉書房】https://kirinohasyobou.jimdofree.com/
Q 家賃滞納分について利息や違約金、慰謝料は請求できますか?
A
家賃は金銭債務なので、支払いが遅滞すると遅延損害金(利息)がともないます。その利率は、改正民法で3%と規定されています。遅延損害金は特約で定めることができますが、あまりに高率であると特約そのものが無効になります。
一方、違約金とは、賃借人側からの、契約解除予告期間を守らない「急な解除」などにともなう賃貸人側の営業損失を補てんする性格のものであり、一般には解約時に家賃の数カ月を徴収します。そのためには、あらかじめ賃貸借契約で特約として定めておくことが必要です。したがって、賃借人の家賃滞納への補てんに充てることはできません。また、違約金に加えて、慰謝料を徴収するケースは少ないようです。
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