近年「ペットは家族」という意識が高まり、室内での飼育が主流となっています。一般社団法人ペットフード協会による2019年の調査では、犬は86.8%、猫は88.4%がおもに室内で飼育されており、特に犬は5年前の調査の78.3%と比べると、室内で飼育されている割合が増加傾向にあることがわかります。
ニーズの高まりを受けてペット飼育可の分譲マンションは増えていますが、賃貸ではまだまだそうした物件は少ないのが現状です。ペットと気兼ねなく暮らせる賃貸物件を求める層は、室内飼育の増加を受けて、これからも増えていくと予想されます。
家族の帰宅を喜び、走ったり跳んだりする犬や、高いところへ登ったり飛び降りたりする猫の足音は、意外に階下に響きやすいものです。また、小さな子供が走り回る足音も同様です。戸建賃貸なら、「足音で階下に迷惑をかけているのでは?」という日々の悩みが解消されます。
子育て中のファミリー層や、ペットと暮らす家庭の移動手段は、車が便利。敷地内で駐車場がある戸建賃貸の場合は、目の前に車があり、出し入れもスムーズです。また、集合住宅では、ペット飼育可物件であっても敷地内で犬を歩かせてはいけないところが多く、駐車場まではペットを抱っこして移動する苦労があります。戸建賃貸であればその悩みからも解放されます。
庭があれば、ガーデニングや休日のバーベキューなどを楽しめます。また、騒音を気にせず気兼ねなく楽器が弾けるなど、集合住宅では難しい趣味を満喫できるのも戸建賃貸のメリットです。ペットや子供と庭で遊べるのも戸建ならでは。夏はプールやスイカ割り、冬は雪が降ったら庭で雪だるま作りなど、季節を身近に感じることができるのは、戸建賃貸の魅力といえるでしょう。
手間賃で働く職人らが住んだ裏長屋の家賃は、文化文政の頃(1804~1830年)月300~500文だったと資料にあります。現代の価値で7,500円。ただし、当時の職人の平均収入は月10万円程度だったので、1カ月の収入の1割弱。現在のサラリーマンの月給と家賃の比較では、安いと感じるかもしれません。物価が上がった幕末頃は、浅草の裏町で四畳半二間の店賃が1分2朱、下谷源空寺門前の九尺二間の店賃が500~600文だったという記録があります。
ただし、この時代は、今の電気やガス代といった光熱費にあたる「薪代」「風呂代」が、月の稼ぎの半分以上を占めたようですから、町人の暮らしは決して楽ではありませんでした。
漫画:桐丸ゆい……東京在住の漫画家。大阪出身。時代劇好き、時代小説好きが高じ、江戸をモチーフにした作品を描くようになる。好きな時代小説作家は、藤沢周平。隔月発行『ラッキー!クロスワード』で「こんびに!」連載中。【桐乃葉書房】https://kirinohasyobou.jimdofree.com/
Q 部屋を貸すのに、使用貸借契約と賃貸借契約とがあると聞きました。どう違いますか?
A
物の貸し借りについて、無償で行う場合を「使用貸借契約」、有償で行う場合を「賃貸借契約」と民法では規定しています。アパート・マンションは、入居者に部屋や建物を提供し、その使用収益の対価として賃料を得る「賃貸借契約」です。賃貸人は賃借人に賃料を請求する権利を持つ一方で、建物の維持(保存)や管理に必要な修繕の義務を負います。
また、賃料滞納や、不注意による賃借物の損傷・破損の修繕費用などの担保として、賃借人から敷金の預け入れを受けることができますが、解約にともなう明け渡し後に、精算して返却しなければなりません。賃貸借契約には、「借家契約」と「定期借家契約」があり、前者が契約更新が容易であるのに対し、後者は契約期間の満了と同時に契約が終了します。
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