年々増える空き家・空き地
空き家対策特別措置法で
空き家の撤去が必要となる

土地の未利用理由  空き家とともに年々増える空き地。平成27年2月に施行された空き家対策特別措置法で、行政による空き家・空き地対策が本格化するとともに、同法で「特定空き家等」とされたときは固定資産税の特例措置が受けられなくなるため、これまで様子見をしていた所有者も否応なく対応を迫られています。

 問題は空き地を何に使うか。賃貸住宅を建設する場合は、立地条件を考慮しなければなりませんが、駐車場スペースを確保しやすい戸建賃貸住宅であれば、投資回収も比較的安心です。

 全国的な空室増で、地域によっては家賃の値下げ競争が始年々増える空き家・空き地空き家対策特別措置法で空き家の撤去が必要となるまっています。値下げ競争に巻き込まれないためには付加価値が必要。ニーズが高く、供給が少ない「戸建」は、賃貸住宅の大きな付加価値となります。

戸建賃貸経営の将来性

1. ファミリー層は戸建を求める

住宅関連の各種アンケートの結果を見ると、ファミリータイプの賃貸マンションに住んでいる人の多くは戸建志向が強いとされています。しかしながら、新築の賃貸住宅のうち、戸建が占める割合は数%です。供給量が圧倒的に少ないのです。ですから、都市近郊の新築戸建賃貸のほとんどは、募集開始と同時にうまります。

2. 賃貸は余っているが戸建は不足

賃貸住宅は供給過剰で、全国的には455.5万戸(平成30年)も空き家になっていますが、戸建賃貸の潜在ニーズは200万戸以上と見られています。賃貸経営の過当競争から逃れる方策の一つが、戸建賃貸への転換なのです。

3. 将来にわたる投資回収が安心

いったん入居するとほとんどが10年以上住むというのが戸建賃貸の特徴。不足している今であれば、戸建賃貸経営は、将来にわたり安心して投資の回収が見込めると言えます。


【四】「沽券にかかわる」の語源は土地の売価

 江戸の長屋は、成功した商人の不動産投資の一つでした。そしてその管理を「大家」「家守」に任せたのです。商人は地主として長屋を建て、大家に管理させるという業態です。

 このころ、家を持つことが庶民の夢となり、土地・建物の所有権を示す「沽券」というものも生まれてきます。これは、現代で言えば権利書に当たるものでした。「プライドにかかわる」という意味の「沽券にかかわる」という言葉は、「沽券に示された自分の土地の売り値にかかわる」というところからきています。

 また、商人だけではなく、武士も不動産ビジネスに参入しました。例えば、町奉行所の同心は、八丁堀周辺の拝領地に住まいましたが、俸禄(給料)だけでは生活が苦しいため、敷地内に賃貸住宅を建て、医者や学者に貸すというサイドビジネスもしていました。


漫画:桐丸ゆい……東京在住の漫画家。大阪出身。時代劇好き、時代小説好きが高じ、江戸をモチーフにした作品を描くようになる。好きな時代小説作家は、藤沢周平。隔月発行『ラッキー!クロスワード』で「こんびに!」連載中。江戸のたべものに関するイラストコラムをまとめた冊子『江戸のたべもの』(A5横型フルカラー)を発刊。
【桐乃葉書房】https://kirinohasyobou.jimdofree.com/


アパート・マンションオーナーのための
税金

所有形態や入居率などで相続税の節税効果は違うのですか。

 所有形態や、その後の入居率によりうまく節税効果が出せないケースもあります。これは、相続税を計算するうえで、土地は貸家建付地として「借地権割合 × 借家権割合」に応じて、貸家は「借家権割合」に応じて控除をすることができる仕組みになっているからです。つまり、実際には入居されている部分しか控除できないのです。
◎回答は相談事例をもとにした一般例です。案件により解釈や対応は異なります。また、税法は改正が多い法律です。
 個別の案件については、税理士や税務署にご確認ください。